中学生の俺がお泊まりオフ会した話

釣りじゃありません


これは本当に闇の記憶なのですが、僕の寿命と引き換えに“エンターテインメント”を提供しましょう

​出会い

中学生当時、僕は大流行だった「スプラトゥーン」というゲームをやり込んでいて、その影響で、とうとう「ツイッター@スプラ垢」を作成してしまいました

これが全ての始まりです
(家族のタブレットにSkype入れて通話してた話とかネット彼女とかレスバで負けてボロクソ泣いた話とかもありますが隠しておきます)

自分で言いたくもないんですけど、どうもツイッターは僕に向いていたらしく、そこそこ面白いツイートを毎日のようにしていました(今より面白いです)

そこで僕はある3人と出会います。これが後に最悪の一晩を過ごすことになる3人です

彼ら3人は元々仲が良く、何度もその3人でオフ会をしているような仲でした。ちなみに女1男2の3人でした

重ねて言いますが、僕は割と面白い部類の人間として扱われていて、しかも大学生っぽいツイートを絡めて実年齢を高く見せるテクニック(注1)を多用していたので、彼ら3人と実際のイメージの差は言うまでもありません

(注1:例 -「単位普通にやべ~」「バイト先の店長ズラで草」)

また、「自分が面白い人間だ」と錯覚してしまっていたこともあり、結局彼ら3人の1泊オフ会に参加することになりました



当日

ファッションには2mmくらいしか興味のないゲームオタク中学生だった僕は、親戚からお下がりでもらったズボン青いシャツといういかにも中学生らしい服装で意気揚々と駅へ向かいます
親には渡辺くんの家に泊まると嘘をつき、ちょっとお洒落なクッキーのお土産を渡されました

指定の電車の一号車で待ち合わせるという約束の元、僕は地元の駅に予定より30分くらい早く到着し、わくわくと胸を踊らせながらツイッターを見ていました(注2)

(注2:その時にしたツイート -「オフ会中にうんこ漏れたらどうしよう」みたいな感じ)

そしてやってくる電車、一号車に足を踏み入れます

あれ、いない……??

そうです。周りには希望を捨てたサラリーマンと伊藤順子と中川由美(注3)を足して割ったみたいなおばさんしかおらず、それらしい人の姿が見当たりません

(注3: 誰?)

すがりつくようにツイッターを眺める僕。3人の内の1人(主に連絡をとっていた)に慌てて確認したところ、どうやら1時間早く来てしまっていたらしい
おちゃめでかわいい中学生僕

安堵感を覚えながら、次の駅で降り、また1時間ツイッターを見ながら(注4)電車を待ち続けます

(注4:その時にしたツイート -「オフ会の集合時間を1時間間違える男」)

合流

1時間、時間通りにやってくる電車に乗り合わせ、ぐるっと辺りを見回します
今度はそれらしい3人組の姿が…ん?……あれ?

ド陽キャ3人組

大学生を舐めていた僕は、その眩しさに圧倒されます。髪を染めてるだけで怖い人みたいなイメージのある時期でしたからね

あらかじめ服装の特徴を伝えておいたため、3人も僕に気付いたのか、表情が固まります。表情が固まります。
だってどこからどう見ても中学生だもん。年齢不詳でツイッターをやっていたので、まさか中学生とオフ会をするなんて思ってもいなかったのでしょう

しかしながら彼らも笑顔を作り直して、電車内で初の対面

しかし中学生僕、「電車内でうるさくしてはいけない」というルールを厳守し、なかなかの声量で挨拶をする彼らに「電車内なんで静かにしましょ?w」と言い放ちます

ろくな自己紹介もせずに、目的地(1人のお家)まで無言を貫き通しました

ちなみにここらへんから大変なことになりそうな予感はしてました

空気

目的の駅に着いてから、着々と自己紹介をしました。嘘です。
偽名の「たけし」を名前だと言い張り、僕の自己紹介は終了しました。何一つ個人情報は漏らしませんでした。さすがですね

3人も明らかに察した雰囲気を醸し出し、僕はコミュニケーションも下手くそなので、ほとんど空気としてそこに存在していました
改札を出てから、コンビニに寄り、一晩過ごすことになる家へ到着しました
コンビニでは水のペットボトルを買い、改札を出てから10音節以上発することはなかったです
常に最後尾を歩く姿は、今思い出しても吐き気がします

家へ帰ろう

ここからは本当に酷いものでした
親からのお土産(お洒落なクッキー)を渡し苦笑いで対応され
僕が延々とスプラトゥーンをプレイし、3人は後ろで談笑
一番辛かったのは3人が自撮りしている中、僕がスプラトゥーンを黙々とプレイしていたことですね。画面端にうっすらと写った僕はスタンプで隠されてツイートされていました

中学生僕の精神は限界。
夜明け後も1日中遊ぶ予定だったのですが、「明日は家族の用事があるため朝イチで帰らなければならない」と嘘をつきます。
彼ら3人もそれが一番幸せな選択肢だということをもちろん把握し、何も質問をせずに「残念だな」「それは仕方ない」と同意してくれます

午後9時に僕は眠くなったので寝かせてもらうとフローリングに横たわり、財布をズボンの中に入れ(注5)、そのまま目を閉じました。

(注5: 盗まれないため)

もちろんすぐに寝られるわけがありません
3人はようやくスプラトゥーンに手をつけ、交代でプレイしていました。明るく元気に。

絶望と後悔で音を立てずに泣き、目が覚めると朝7時でした。普通に寝てた
おそらく3人はほとんどオールナイトでした

帰宅するという旨を伝えると、彼らも
また遊ぼうね!」「楽しかった!ありがとう!」(注6)など体裁上の挨拶を返してくれました

(注6: その後はツイッターでの会話すら一言もしませんでした)

我が家に帰れるという希望を胸に電車に飛び乗り、ようやく家に帰ると母親に朝帰りの理由を聞かれ、風呂に入って寝ました

~おしまい~

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