単独ライブができるまで


どうも。アレックスです。芸人やってます。

幸せなことに僕らはコンビ結成二年目ながら、今までに三度も単独ライブを開催させてもらった。「単独」と聞けばなんとも凄そうに聞こえるが、度胸があれば意外と誰でもできるものだ。

というわけで、単独ライブを開催するために僕らが用意したことを列挙していこうと思う。俺も単独やりてえな…と思ってやまない皆さんへの参考になることを願う。



1.「単独でもやるか…」と思う

当然ながら僕と相方の両方のモチベーションが高くなければ単独ライブはできない。去年の夏は営業が増えたり同期が次々に辞めたりとライブへの情熱がやや薄れつつあり、とてもじゃないが単独ライブなんてやる雰囲気ではなかった。この冬に二回も開催することができたのは、コンビ間ラブラブ期に突入したからである。


2.日時を決める

土曜にするのか、日曜にするのか、昼にするのか、夜にするのか…僕らがいつも使わせてもらっている小屋のHPに予約可能日一覧が載っているので、ほかの仕事と被っていない日の中からざっくりと候補を立てる。


3.「単独やりたいんですが」と事務所にお伺いを立てる

僕らは芸歴も浅く、事務所内の立場も低い。ライブを開催したい日に先輩の大きなイベントが入っている場合、僕らがずらさなければいけない。このへん、プロレタリア文学みが強い。


4.小屋を押さえる

事務所の了承を得たところで、僕らから直接小屋に予約申請のメールを送る。日時、料金体系、使用機材、見込み来場者数…数えてみると43項目もあった。ドリンクは売らないし、リノは使わない。


5.予約フォームを作る

僕らに直接連絡したり、事務所に連絡するのは敷居が高いため、ネットでチケットを買えるようにするための設定をする。僕らはRESERVAというサイトを使っているが、無料会員でもなかなか使い勝手が良い。このURLをQRコードに変換し、フライヤーに載せる。


6.フライヤーのデザインを考える

自分達で雰囲気よさげな写真を撮る。海辺を酷使しがち。それを家に帰り、photoshopで文字を入れる。ゲストを呼ぶ場合は相手の事務所から使ってもいい宣材写真をもらい、それを卒業式来なかった奴みたいにポスターの端っこに貼り付ける。


7.フライヤーを刷る

ラクスルというサイトからpdfデータを送ると、フライヤーを刷ってもらえる。前回は片面800部で送料込み3240円だった。家まで届けてくれるのはなかなか便利。毎回多めに注文して余らせて紙鉄砲か鍋敷きになる。


8.チケットを作る

チケットは流石に僕らが作ることはできないので、事務所に作ってもらう。ペラッペラのチケットも重ねて渡してもらうと分厚くて、人生ゲームをやってる気分になる。チケットは基本的に僕らが保管し、前売で買ってもらった人に一枚ずつ配布する。ちなみに僕らの名刺の裏側には最新のライブ情報を載せているので、単独を開催するたびに名刺も刷り直さなければならない。




9.告知をする

TwitterやFacebookで言うのはもちろん、自分達のラジオ番組や、先輩の番組で数分だけ時間をもらい、単独の情報を詰め込む。各営業や定期ライブ終了後、客にフライヤーを配ったり、人の飲み会に参加して、ネタをやってチケットを買ってもらうこともある。各編集社にイベントを取り上げてもらえないか直談判に行ったこともあった。人が来なけりゃ次回はないのである。


10.スタッフの手配をする

キャパにもよるが、僕らがいつも使う50人の箱だと受付2名、会場整理2名、道具出し捌け1名、音響2名、照明1名ほどが必要になる。人望がまだ枯れていない場合は、同期や後輩に前説をお願いする。前の三つはボランティアスタッフ(謝礼はなく、打ち上げ代が無料になるのみ)にお願いするが、音響と照明はやや経験が必要になるため外注。日当はライブの売り上げからしか出せないため、専門学生にお願いすることが多い。


11.幕間動画の撮影、編集

単独ライブは基本的には僕らしか出演者がいないため、ネタとネタの間を埋めるために動画を流す。編集に時間がかかるため、比較的早い段階から準備を進める。前回は閉店後のラーメン屋で僕がフランケンシュタインに扮し、どう頑張っても首から下げた鎖がラーメンに入ってしまうという、薄キモ動画を撮った。aviutlでちまちまと編集。


12.小道具、機材の準備

小道具はドンキとセリアで揃えるとして、小屋には映像設備がないので、プロジェクターとスクリーンを外部からレンタルする。余談だが、先述の音響スタッフのうち一人はプロジェクターの前に配置し、ライブ中はずっと蓋の開け閉めだけを担当することになる。


13.CDを焼く

意外とライブで流す曲は多い。特に客入れBGMと客出しBGMは一曲リピートだと客の気が狂ってしまうため、リピートなしで30分ぶん流せる曲数を用意する。トークコーナーがあればその時に薄く流すものも必要となる。漫才のアタックは毎回同じだが、コントのアタックはネタの雰囲気に合わせて変えるのが楽しい。


14.タイムテーブル作成

スタッフに動いてもらうためのタイムテーブルも僕らがEXCELで作成する。まず僕らの動きを書き並べ、それに合わせた道具、音響、照明の動きをまとめる。うちにはプリンターがないため、一枚だけセブンネットプリントで刷って、それを事務所でコピーする。金がない。


15.ネタを仕上げる

ここが一番大事であることは間違いないが、どうしても後回しにになるよね。だいたい単独一回で80分、ネタ本数は五本前後になる。僕は漫才の方が好きだが、漫才をずっと見るのは体力が必要になるのでコントが多めになることが多い。僕の演技力のなさが露呈するのでこの構成は辛いよ。




長くなってしまったので、今回は単独の前日までにしなければいけないことだけに留めておこうと思う。次回もよろしく。それでは。


 

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