君との思い出を
何か形として残したい
そう思った僕は
気づくとこの文章を書き始めていた。
でも僕と君は
まだ出会ってない。
だから
君との思い出を
僕はゼロから作ることにした。
僕が今まで撮った写真を
あたかも君と過ごした思い出のように
見せかけるよ。
君が見たら言うんだろうな
「おかしいね」って
そんなおかしなぼくが書く
君との思い出
始めようか
Episode 1 出会い
海を見ると君を思い出...いや
やっぱりやめる。
海の画像は
フォルダにそんなにないから
やっぱり変える。
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今でも鮮明に覚えてる...
君と初めて会った時のこと...
君とぼくが
初めて出会ったのは...
そう
ジャパニーズレストラン「スカートが焼く」
だったよね。
スカートが焼くことで人気を博した
このお店で君はウェイトレスを...
いや
無理だな
ジャパニーズレストラン「スカートが焼く」で
これ以上文章を書くのは
無理だな
......
まあ結局のところ
僕らは幼馴染だったから
出会うとか出会わないとか
なかったんだよね...
Episode 2 別れ
僕らはいつの間にか
大人になって...
別々の道を頑張らなきゃいけなくなった...
ぼくは東京の大学へ
頭が物凄く良かった君は海外の大学に
進学したんだよね...
それから僕らはお互い忙しい日々を過ごして
中々出会うことは出来なかったけど...
どうしても
君に会いたくなってしまったぼくは...
突然君の家を訪れて
君を驚かそうとしたっけ...
初めて見る海外での
「君の生活」
「君の家」
「君の驚く顔」
そんなことに思いを馳せながら...
君の家を訪れたら...
滅茶苦茶遺跡だったんだよね
昔から人の良かった君は
現地の不動産屋に死ぬほど騙されて...
なぜか遺跡に住むことになっちゃったんだよね...
そんな君を見て僕が凄く心配してると...
「大丈夫よ、ここだって良いところはあるのよ!」
って言って家の中を案内してくれたね...
「この通路を渡った先にとびっきりの部屋があるのよ」
そう言って君に手を引かれ
着いた先には...
「ゴッホ」の絵が一枚だけ飾ってあったんだよね。
僕らは話し合ったね
君が不動産屋さんに騙されてること...
もうこれ以上ここに住むべきじゃないこと...
「ゴッホ」の絵は盗品である可能性が高いこと...
そうやって全部話し終えた次の日
僕らは一緒に日本に帰ったね。
Episode 3 君の死
日本に帰った後
君はちょっとずつだけど...
元気を取り戻していって
僕も安心した。
けどあの日の出来事で...
君は完全に壊れてしまった...
......
きっかけはささいなことだった...
ぼくが気分転換に君を連れて
お昼ご飯を食べに行った時...
君はマクドナルドに行きたいって言った...
でもそれが間違いだった...
僕らが近所のマクドナルドに行くと
「絶対やってないのにやってるって嘘を付いてるマクドナルドがあったんだよね」
.....
「実際やってなかったし」
......
君は泣いてたね...
この嘘だらけの世界で
私達は何を信じて生きたら良いの?
って
僕はそんな君を
必死で慰めようとしたのだけど...
マクドナルドのクルーを道連れにして君は天国に逝ってしまったね...
......
今でも思い出すよ
君のこと...
会いたいよ...
君に...
特にマクドナルドを見ると...
君のことを思い出してしまう...
だから...
僕は...
「エグチ」の味を未だに確認出来ていない
文責:ペンギンの唐揚げ
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