こしょん

カンボジアにお嬢様学校を700校建てました

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皆さんに知ってほしい「ASUS」というマイノリティ

先日、小さな展覧会に行ってきた。定期開催ではあるが、毎回都心の薄暗いテナントを借り、じつにマイナーでニッチなコンテンツを取り扱っているものだ。特に今回は良い場所が取れず、人ひとり暮らすのにもちょっと狭いくらいの、さながら築ウン十年のボロアパートとでも言うかのような激小激安レンタルスペースに私は押し込まれた。入り口に老舗のクモの巣、カンカンカンと音を立てる鉄の階段、付近の飲食店で温められた息苦しいビル風……そしてこのテナントには、エレベーターが無かった。毎回場所を取るだけでひと苦労だなあ、このまま何回も続けられるのかなあ、もしかして今回で最後だったりして! などと考えていたら、程なくして入り口の方でスタッフの謝る声が聞こえた。後ろを振り返ると、車椅子に乗った男性とその介助人にスタッフが頭を下げている。なるほど。こういう時、マイノリティ(社会的少数者)に回ると苦労が多い。いや、いつだって苦労は多いのだが、公共空間や食事場など一定の意識や配慮がなされている場所が増えているのに対して、そうでない場所は未だに彼らへの対応が上手く行き届いていない印象がある。今回はそういう類いの話だ。みんなに打ち明けるのは辛いけど、この場を借りて激白いたします。実は私……ASUSなんです。